
1972年スウェーデンのStorvikにて、機械デザイン技師で熱心な木工職人でもあるTorgny Jansson氏は、自分の工具を満足のいく切れ味に研ぐことが出来ず不満に思っていました。昔ながらのスウェーデン製の水冷式グラインダー砥石でも素晴らしく永切れする刃をつけることが出来ましたが、クランクを回してくれる親切な助手が必要でした。そこでJansson氏は一般的な小型の電動ドリルを使って砥石を回転させることを考え付きました。
電動ドリルはほんの数秒で回転砥石に接続することが出来ました。チャック内のシャフトは、電動ドリルに繋がっている独創的なデザインのホルダーによって支えられていました。回転砥石に必要な低い回転数に合わせるため、ゴム製の車輪を使って電動ドリルの高い回転数を低く下げました。この画期的なアイディアのおかげでシャフトが滑ることがなくなり、使用者にとって使いやすく信頼できるデザインとなりました。
この研磨機の人気は急速に高まり、翌年1973年にJansson氏は研磨機の製造と販売を行うためにトルメック AB(Torgny’s Mekaniskaの略語)を創設しました。1975年にトルメック社はスカンジナビア半島の国々への輸出を開始し、1976年にはドイツやその他のヨーロッパの国々にも輸出し始めました。オリジナルの電動ドリルのモデルと同じ信頼できるデザインで、1981年に最初の自動電動モデルが登場しました。
ユニバーサルサポートは1984年に初めて開発され、トルメックシステムの中心的役割を担うようになりました。単純なデザインに思われるかもしれませんが、多くの素晴らしい発明と同様に巧みな仕組みとは単純なものなのです。ユニバーサルサポートは、それ自体が工具を支えるツールレストになるだけでなく、トルメック社の治具と付属品を開発する上での土台となりました。また、同時期に新しいユニバーサルサポートに対応出来るように直刃用の治具SVH-60のデザインが新しくなりました。
当時はどの研磨機にも昔ながらの平らなツールレストが付いていました。今日では、世界中の水冷式研磨機の製造者がトルメックのデザインを採用しています。
初心者の方でも簡単に効果的に研げるようにするために、トルメックは研究を続けてきました。初期の天然砂砥石は、低速の水冷式研磨機向けに特別に開発されたガラス質の酸化アルミニウム製の砥石に変更されています。今日では製品の品揃えは市場で一番になり、あらゆる種類の刃物に対応できる完璧な研ぎを提供出来るようになりました。
